今日は私がおすすめしたい本についてお伝えします。
・・・
ニュータイプの時代
山口 周 (ダイヤモンド社)
この「ニュータイプの時代」で著者の山口周さんは、これまで優秀とされていた「問題を解決し、モノを作り出す能力」は不要となり、「問題を発見し、意味を創出する能力」こそが求められる時代へと変わり、“優秀さ”の基準が変わっていくと言われています。

現代は「変化が激しい時代」とも言われ、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとって、VUCA(ブーカ)と呼ばれたりもします。
確かに、インターネットの台頭、スマホの登場などで、私たちの生活が大きく変わったことを思えば、誰もがそうした時代であることは理解できそうですよね。
また、冷蔵庫や洗濯機がなかったような時代と比べて、現代における私たちの生活は、「ここが不便で困っている」というような、究極な問題はなくなり、多くの人がある程度幸せな生活を送っているというのもその通りで、モノが過剰で、便利になった私たちの社会は今、この本に書かれているように「問題が希少になっている」というのはとても納得ができます。
そうした社会においては、「人々の生活を劇的に変える役に立つ商品やサービス」を生み出すことは難しい、、ということも理解できますよね。そもそも、ビジネスの発端は、世の中の困りごと(課題)の解決から生まれるものですし、困りごと(課題)がなくなるということは新しいビジネスが生まれづらいということになります。
一方で、この本で言われている「意味を創出する」という、「意味」については、“何のために”とも置き換えられます。何のために存在する企業なのか、何のために働くのか、何のために生きるのか、何を実現できる商品なのか…など。
商品でいうと「ブランド」とも置き換えられると思います。役に立つ商品はほかにもあるけど、この商品を選ぶことによって、気分が上がる、なりたい自分に近づけるといった情緒面や自己実現欲求などを満たしてくれるもの。
「意味」という表現は少し哲学的な感じを与えますが、企業のビジョンに共感してそのブランドのファンになるということなどは、あなたにも経験があるのではないでしょうか。例えば、iPhoneを生み出したAppleなどが有名な例ですよね。
「モノ消費からコト消費へ」とも言われる時代ですが、コト消費のほうが“今ここでしか体験できない価値”という意味を見出しやすい領域だということだと思います。
人生100年時代と呼ばれるこれからの時代は、私たちの寿命が長くなる一方で、変化が激しくなる世の中に置いて事業が短命化していく…ということは、著者の山口周さん以外にも、多くの方が仰っていることでもありますが、そうした時代においては、経験をもとに予測しても予定通りにはいかないわけで、「好きなもの」「やりたいこと」「自分軸」という、自分なりの価値観をしっかりと持って、行動していけること、変化や環境に適応できる柔軟でしたたかな生き方をしていきたいですよね。
つまり、「私はこう思うのだ!」という意思を持った少しわがまま人間くらいのほうがこれからの時代には生き残れる、そのように私は感じます。
“わがまま万歳”という感じです(笑)

ちなみに、先日、こちらの本のオンライン読書会(honto主催)に参加しました。その時に著者の山口周さんが仰っていた言葉で共感した内容がいくつかありましたのでご紹介させていただきます。
『これからの時代はワークライフバランスではなくワークライフブレンド。』
コロナ禍でテレワークが一気に普及するなど、働く場所、生活する場所の区別がなくなる生活へのシフトは加速しそうですよね。私も“バランス”ではなく“ブレンド”の時代だと思っていますし、そこに人生の目的やビジョン(意味)を見出していくことがワーク・ライフデザインだと考えています。
『100人にプレゼンすれば必ず味方が出てくる。』
これまでのオールドエコノミー的価値観では、普遍的で難易度の低い問題、つまりターゲットが広くROIが最も見込める領域のアイデアが素晴らしいアイデアだとされていましたが、上記のように問題が希少となるこれからの時代においては、いかにそこから脱却した問題(課題)を見つけることができるかが大切、ターゲットが広いことは優位ではないという話。
「それ、スケールするの?」なんて言葉。アイデアを誰かにプレゼンした際に言われたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。私も同じく(笑)。
でも諦めなくても大丈夫。だって、価値観が多様化する時代ですものね!きっと味方は現れるはず。100人にプレゼンするくらいの気概で頑張りましょう。
『守りたいもの+社会の問題→ソーシャルアントレプレナーの種』
「嬉しい」「悲しい」「許せない」という感情をメモに残そうというお話があり、確かに、、と共感しました。そこに自分自身の「守りたいもの」が隠れていますし、それと社会の問題を掛け合わせることが、同じ感情を抱く同じ価値観の人々に共感される事業になるのだと。
いかがでしたか。
難しく感じるかもしれませんが、きっとあなたにも何かの発見があるはず。。
「ニュータイプの時代」、ぜひ読んでみてくださいね♪
