働く女性

【おすすめの本】世界観を考える

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以前読んだこちらの本。
世界観をつくる「感性×知性」の仕事術
山口 周(著),水野 学(著)

自分の人生における「世界観」

山口 周 氏が他の著書でも指摘しているように、「正解=ソリューション」が供給過剰になっている今日においては、「問題=アジェンダ」が希少化。正解を出すチカラよりも問題を探す、問題をつくるチカラ、つまり「構想力」が重要になっているということが言われています。

構想とはつまり、「ビジョン」です。

現代アーティストのヨーゼフ・ボイスが「世の中で働く人は全て世界という作品の制作に関わるアーティストだ」と言ったように、私たち一人ひとりが“未来にどんな世界がやってきたらよいか”というビジョン、ありたい姿をイメージしながら、そのギャップを埋めていくための「問題」に取り組んでいくことが、これからの時代には求められるという指摘を読み進めながら、この「ビジョン」と「世界観」について、私なりにも、色々と考えてみました。

皆さんは「ビジョン」と「世界観」の違いを明確に説明できますか?

ビジョンというのは、ある時点の未来において、どういう状態でありたいのか、という「未来像」として何となくイメージできますよね。では「世界観」って何なのでしょうか。

俗にいう「世界観」は、文学、音楽などにおいて、その作品がもつ雰囲気や状況設定を指しますが、本来の意味は人生観を超えた「人間としてのあり方」というような意味合いがあります。

「人間としてのあり方」って、、難しいですよね。「哲学」の領域ではありますが、道徳的、宗教的、運命的な要素にも近そうです。

ただ、私はこの「世界観」に対して、その人の身体の中から染み出てくるような空気や匂いや温度のような、言葉では説明できないような「その人らしさ」のようなものを感じました。
人だけでなく、モノや場所にもそういった、言葉では説明できない目には見えない世界観が存在していて、それを私たちは五感で感じながら、「なんとなく好き」「なんとなく嫌い」というような分類をしているようにも思うのです。

私は、ワーク・ライフデザイナーとして、「仕事観」や「人生観」について考える大切さを発信していますが、そのベースにはこの「世界観」をベースにしていく必要があるような気がしています。


この本では、優秀なクリエイティブディレクターやプランナーは、いろいろな映画や文学作品に親しんでいる人が多いとも言われていましたが、それはクリエイティブな世界に関わる方だけでなく、すべての方にとって、いろいろな世界観を自分の中にインプットしておくこと、それを自分の中で熟成させておくことは大切かもしれません。

クリエイティブデザイン

クリエイティブディレクターの本質とは

私自身、広告業界の出身でもあり、今でもクリエイティブな領域のお仕事をさせていただく機会があります。
少し前に、ある方に「クリエイティブとは」的なお話をさせていただいたのですが、実はその方から、「この本に、百々さんが言っていたことと同じことが書いてましたよ」とご紹介いただいたのがきっかけで、今回、この本を手に取りました。

私が考える「クリエイティブディレクターとは」。デザインやメッセージを考える人ではなく、「企業のビジョンを描ける人、経営まで理解できる人」というのは、確かに、この本に書かれていたことと同じでした。
物語をつくり、そこに意味を与えることの重要性もお話していたような気がします。

ただ、私は「世界観」というところまでは話を広げられなかったこと、この本を読み、たくさんの気づきをいただくことができました。
物語のベースにある「世界観」作れてこそ、朽ちないブランドを構築できるということ、感性に作用できる知性が備わっている人こそが本物のクリエイティブディレクターだということを理解し、精進していきたいです。

物語や意味は説明、説得することができるかもしれない。でも、世界観は言葉にはできないもの。それをどう表現していくのか。

クリエイティブな仕事をする方に限らず、自分の世界観を追求していくことが、本当の「自分らしさの発見」「自分らしい生き方・働き方」の実現へとつながりそうです。

この本をSNSで紹介したところ、うちの企画会社でお仕事をしてくれているママフリーランスの方がすぐに購入して読んだそうです。一気に読めて、子育てにおける「価値観」にも参考になったとのこと。

少し難しそうに思える本ですが、よろしければ読んでみてくださいね。あなたの視野もきっと広がると思います。