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コトラーのマーケティングからみたこれからの時代に必要なスキル

コトラーのマーケティング理論について

マーケティングの世界で「神様」とも呼ばれるフィリップ・コトラー。
コトラーは以下のようにマーケティングを定義しています。

■ マーケティング1.0(1900年~)
 よいものを作れば売れる「製品中心主義」

■ マーケティング2.0(1970年~)
 差別化と消費者のニーズを重視した「顧客志向」

■ マーケティング3.0「価値中心」(1990年~)
 顧客のマインドと精神に訴えかける「価値主導」

■ マーケティング4.0(2010年~)
 共創・協働を通じた「顧客の自己実現」

この「マーケティング4.0」への移行は、モノが不足していた時代から、生産力が消費者の購買力をはるかに上回る「製品過多」「顧客不足」ともいわれる現代への移り変わりをあらわしているものです。

更に、便利な世の中になったことで、「人々の欲求」というものもすでに、心理学者マズローが示した5段階の「第5の欲求(自己実現)」に到達しているという面も説明されています。

※マズローの「自己実現論」に関してはコチラ。

ただし、時代の流れがマーケティング4.0に移行したからといって、マーケティング1.0~3.0が完全に無くなった訳ではなく、現代社会はそれらがミックスされた状況だといえます。

なかでも、企業が「よりよい世界」を築くための人類全体の問題へと関心を拡げ、収益性と企業の社会的責任をうまく両立するようになる「マーケティング3.0」の考え方は、現代のSDGsにも通じますし、自社の存在価値を明確にして消費者からの共感を得られる「ミッション」「ビジョン」「ストーリー」が重視されることはブランディングにおける中核の考え方でもあります。

「このブランド(企業)の世界観やビジョンに共感するから」という理由で、顧客が商品やサービスを選択する、「価値主導」的なマーケティング3.0は守りながらも、デジタル化が後押しする現代は、企業と顧客の関係性が従来よりもより一層フラットになり、オンライン&オフラインの両面から企業と顧客が人間的な触れ合いを強化しながら、「共創」「協働」を実現していく時代となるのです。

そういう意味では、マーケティング1.0~3.0は企業活動およびブランドの「考え方・スタンス」であり、マーケティング4.0は企業活動およびブランドと顧客の「関係性の変化」そしてマーケティング3.0をより高次元に実現していく「手法」が具体的に示されているともいえるのではないかと私は感じています。

※興味のある方はぜひコトラーの著書も読んでみてくださいね。
 フィリップ・コトラー氏の著書はコチラ。

 

マーケティング理論から見る私たちが身に着けるべきチカラとは?

コトラーのマーケティング理論と私たちがこれから身に着けるべきチカラ、つまり個人のキャリア戦略は決して別次元の話ではありません。

仕事は「成果」を出すことが大切です。
そして、そのためには、時代がどの方向に向かっているかを感じ取るチカラが重要です。

マーケティング戦略=経営戦略とも言われる今日において、自分がどう社会に貢献できるかを考えるに当たっては、このコトラーの理論は学んでおくに越したことはないでしょう。

それを前提に、私自身がこれから必要とされるチカラだと感じるのは、
➢ 観察力
➢ 言語化力
➢ 共感力
です。

今自分が置かれている立場から視野を拡げ、自社(自分)の社会的責任をどこにおくべきかを見出す「観察力」、自社(自分)の存在価値を表現できる「言語化力」、そして、フラットな関係で共創・協働を推進できる「共感力」。

どれも、詰め込み教育では養えないチカラ、教材を作り資格化するなどもしようがないスキルですね。
これからのチカラを養うには、「思考を抽象化」することが必要です。

では、思考を抽象化するって、どうやってトレーニングするのでしょう。
私自身は、やはり「まずは知識量を増やす」ことではないかと思います。好奇心旺盛に学ぶ姿勢と、情報をそのまま受け取るのではなく、その「意味」を自分の中に落とし込んでみる癖をつけること。

その量が圧倒的に多くなった時に、目の前に起きた事象を抽象化し、一見、別次元に見える物事の普遍性が見いだせる目利きを持てるようになるのかなと思います。

そういう意味においても、今回ご紹介した「コトラーのマーケティング理論」。一見、難しそうに見えますが、読んでみられることをお勧めします(#^.^#)

私もまだまだ発展途上です。
お互いに、努力を重ね、成長していきましょう。