キャリアウーマン

ロールモデルを探すのではなく自らつくる

ロールモデルを求める女性

女性のキャリアや働き方などで、よく課題となるロールモデルの存在。
ロールモデルとは「お手本となる人」のことですが、壁にぶつかった時などに、「あの人ならどうするだろう」と考えたり相談できたりするのは女性にとって心強いですよね。

もちろん、そんな存在がいるに越したことはないのですが、「ロールモデルがいない」ことが大きな問題として扱われているシーンなどを目の当たりにすると、正直なところ、「ロールモデルがいないこと」よりも「ロールモデルがいないことを問題にしていること」のほうが問題なのではないかと思うこともあります。

問題をそこに置いてしまっていることで見えなくなっている問題があるのではないかと感じる面があるからです。

そもそも、ロールモデルといっても、お手本となる●●さんと同じ人生を歩みたいと思う人ってどれくらいいるのでしょうか。

みんなが同じレールの上を走り、学歴やキャリアが安定をもたらしてくれる時代であれば、一歩先行く先輩に未来の自分を投影できたのかもしれませんが、変化の激しいこれからの時代はそういう訳にはいかなくなります。

文書を書く女性

理想のロールモデルとは

理想とする女性がいるかどうか、まわりを見渡すことですぐに見つかればよいのですが、なかなかそういう存在が見つからないことの方が多いのが現実。

そのような中で必要なのは、「私にとっての理想」がどういうものなのかを、自分自身と向き合い、考え、自ら作り出すことです。自分自身についてじっくり考えるのは、実は苦痛な作業だったりもしますが、自分の弱みや強みなども書き出してみることで、「私にとっての理想」に近づくために、今自分には何が足りないのか、どういう人を参考にすればよいのかが見えてきます。

その上で、その理想に近い人たちを「複数名」ピックアップ。

女性に限らず、存命であるか否かに限らず、人に限らず…こういう面はこの人、こういう面はこの人、というように、自分の理想に近い人を広い視点でかき集め、ミックスさせていくイメージです。

イメージするのは対話

そんな風に、自分が理想とするロールモデルをつくり出せたら、常にその人と「対話」することをイメージしてみましょう。

ロールモデルを真似るのではなく、目の前に課題が出てきた際に、「●●さんなら、今私にどんな言葉をかけるだろうか」とイメージしてみることが大切だと思うからです。

そう、どんな時にでも、答えを出すのは自分だからです。

「●●さんはこう言うかもしれない」「●●さんならこうするかもしれない」とイメージしつつ、「だから(でも)私はこうしよう」という判断を積み重ねていくことにより、理想のロールモデルを超えた自分らしさを構築できるようになるのだと思います。

私自身も、「理想のロールモデル」を自らつくり出し設定しているのですが、女性と男性がミックスされたロールモデルになっています。面識のある方と全く面識のない方のミックス。面識のない方は、その方の書籍などを読んで、価値観や考え方を学んでいます。

子供たち

子育てにおいても

この「理想のロールモデル」を自らつくり出していく視点は、子育てにも通じるかなと私は感じています。パパとママとその親せきなど、子どもにとっては身近な存在と同じ人生が理想の生き方ではないからです。
私たちはつい、自分が育てられた環境や自分が生きてきた人生における「常識」を子どもに押し付けてしまいがちです。もちろん、私自身もその一人。

私は、北九州のママコミュニティ「ミラ窓」という活動もしているのですが、ミラ窓は「未来を担う子どもたちを社会全体で育てる」ことを目指し、さまざまな体験学習の場をつくる活動を展開しています。

子どもたちがたくさんの大人と出会い、いろんな価値観や生き方に出会うことで、子ども自身が自ら「理想の自分」を構築していってくれたらいいなと思っています。

まずは、自分自身が一人の自立した大人として成長していくこと、そしてその姿を子どもたちに背中で見せていきたいですね。