美意識と存在意義への意識を深め、独自の「世界観」を持つ女性に。

本日は、私が最近読んだ2冊の本をご紹介したいと思います。

おすすめの本
『自由になるための技術リベラルアーツ』山口 周 著

私はあまり占いなどを信じないのですが、先日、友人の紹介で「名前+生年月日」で自分の天命・宿命・運命を鑑定してくれる方がいると聞き、面白そうだったので受けてみました。
どんな鑑定でもだいたいいつも、「何もないところから何かをつくりだすのが向いている」と言われることが多く、それは今回も同じだったのですが、今回、私が少し気になることを言われました。

それは、「あなたの天命には“美”の星がある」という言葉です。
それは「美意識」だそうで、たとえばロゴや写真などの形や色が自分にとって「美しい」と思えるかどうか、それだけで私のモチベーションや能力の発揮が左右されてしまうとのこと。

この「美意識」ですが、私が「この感覚を美意識と呼ぶのか」と腹落ちしたのが、独立研究者・山口周氏の著書でもありました。

「よくわからないけど、惹かれる」
「よくわからないけど、嫌だ。自分とはあわない気がする」
「どうしても譲れない」

私の人生、こういう感覚と感情を自分でコントロールすることができず、自分は何てワガママなのだろうと悩んだことが何度あったことか。
「美意識」という言葉に出会ってから、そうした自分の感覚や感情に一定の法則があることに気づくことができました。それからは、「自分の直観」にGo!を出すことをためらわなくなったのです。

一方で、自分の「美意識」に対する感覚・感情を意識するようになってから、他人のそれにも敏感になりました。この人の「正義」や「美意識」はどんな背景を以て形成されているものなのか。
でも、それを探りたいと会話しても、薄っぺらい話しか出てこない方が大半です。「自動的に稼げる」「私の真似をしたら年収が10倍になれる」というような視座の低い誘い文句に翻弄されている方、肩書や地位に無条件にひれ伏す方、一方で、自分の方が優位な立場にあると認識した途端、横柄な態度を取る方など。

変化が激しく予測不可能なVUCAの時代においては、正解の法則は通用しなくなりました。つまり私たちはこれから先ずっと、アップデートし続ける、学び続ける必要があります。
さらに、山口周氏が他の著書でも述べているように、「役に立つ」ではなく「意味がある」が求められる時代においては、人、つまり人間をより理解していく必要があります。さらに、時代や分野を超えた「普遍性」に気づく感性が求められるようにも。

本書には、リベラルアーツの説明として以下のように書かれています。

よく言われるような「常識を疑う」という態度を身に着けるのが必要な一方、すべての「当たり前」を疑っていたら日常生活は成り立ちません。「見送ってもいい常識」と「疑うべき常識」を見極める選球眼を持つこと。この選球眼を与えてくれるのがまさにリベラルアーツなのです。
リベラルアーツというレンズを通して目の前の世界を眺めることで、世界を相対化し、普遍性がより低いところを浮き上がらせる。目の前の世界を「そういうものだ」と受け止めてあきらめるのではなく、比較相対化する。そうすることで浮かび上がってくる「普遍性のなさ」にこそ疑うべき常識があり、リベラルアーツはそれを見るレンズとしてもっともシャープな解像度を持っているのです。

冒頭の、私の「美意識」が常にアップデートされ、高い視座を目指していくためにも、学び続けたいと思いました。
山口 周 氏と著名人の対談構成となっている本書は、自分の視野を拡げ、視座を高めるきっかけを与えてくれるものとしてとてもおすすめです。よろしければ読んでみてくださいね。

おすすめの本②
パーパス「意義化」する経済とその先 岩嵜 博論・佐々木 康裕 著

モノが売れない時代、人々はそこから得られる「体験」を求めている。そうした「モノからコトへ」の脱物質化は、以前から言われており、肌で感じている方も多いのではないでしょうか。
本書ではその流れの一歩先、Z世代が連れてくる未来においては、その「コト」がより日常生活に染み出して、消費者は「社会を良くするために消費をする市民」へと変化していくことを世界中で起こっている事例を通して認識することができます。

金銭的な豊かさなどではなく、考え方や社会に対するスタンスが重要視される時代の到来、消費者が、知識と教養、意思と行動で、「消費以外の何か」を期待し企業やブランドを選ぶ時代の到来です。

以前、私のコラムでもご紹介した
山口周著「ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す」

で、著者が「ビジネスはその歴史的使命をすでに終えているのではないか?」と問いを立てていたこと、この「企業の社会的存在意義=パーパス」への注目ともリンクすると思いました。

従来の「ビジネス」としての使命は終えた。だからこそ、新時代に向けた「存在意義」を見直すきっかけに来ているのだということ、自社で完結するビジネスとしてではなく、ステークホルダーや地球民を巻き込んだ協働を構想する必要があるということなど。

本書は、企業経営の参考になる内容ではありますが、一方で、私たち個人においても、社会的地位はもはや金銭的な富とはリンクしなくなり、むしろ、その人の健康に対する考え方、倫理意識、社会的影響力、環境保護などへの姿勢とリンクする時代となる今、自身のスタイルやスタンスを見直していくことを迫られると言えそうです。

そして、そこで重要になってくるのがまさに、「美意識」「リベラルアーツ」であるということは容易に想像できます。

今こそ、スキルやテクニックでは生き残れない時代の「世界観」を持つ女性に。

共に成長していきたいですね。
皆さんはどう思いますか。