
あなたは「キャリアアップ」や「スキルアップ」に励んだことがありますか? 同じような意味に使われることも多いですが、その違いを調べてみると、、
・キャリアアップとは(出典:デジタル大辞泉の解説)
より高い資格・能力を身につけること。経歴を高めること。
・スキルアップ(出典:デジタル大辞泉の解説)
腕前を上げること。技術力を高めること。
というように説明されています。 向上心を高め、技術力や能力を上げていくという面では同じように思えますが、キャリアアップは「経歴に直結」「地位を高める」という意味合いが強いように思えますね。
ちなみに、「ビジネススキル」という面においては、専門分野における技術力や知識・経験だけでなく、コミュニケーションスキル、営業力、プレゼン力、目標設定スキル、目標達成スキル、タスク管理、時間管理スキルなど、幅広い領域でのスキルを指すことも多いです。
向上心を持ち、学び続けるという視点はとても大切ですが、自分がどの方向を目指しているのかによって、習得していくべきものが違ってきそうな気がしますよね。
価値観はそれぞれだと思うのですが、変化が激しいこれからの時代においては、特定の分野を極めていくという生き方・働き方だけでなく、柔軟なキャリアに対応できるチカラを身に着けていくためにも、私自身、キャリアアップよりもスキルアップの時代ではないかと感じています。
また、人生100年時代、ひとつの職業だけで一生を終える人も少なくなっていくのではないかと思いますし、“今必要な知識や経験”だけでなく“ちょっと先の未来に役立てる知識や経験”まで視野を広げながら、「今、自分に必要なものは?」ということを考えていく必要もあります。世の中の動き的にも、長寿化の流れ的にも、複数の柱を持ち、その時々でそれらを使い分けることができる人こそが生き残れる時代となりそうです。
「なるほど、でもそれを考えるのは難しいなぁ」と思われる方は、敢えて、今の自分のキャリアとは全く違う領域の知識を習得してみるのもひとつの手段です。学ぶというと「資格を取得する」ということをイメージする方も多いかもしれませんが、それだけではないと思います。これまでやったことがないことをやる、それ自体が大きな学びになる面もあります。

「セレンディピティ」という言葉を聞いたことがありますか?
セレンディピティというのは、偶然のきっかけで予想外の発見があること、幸運を掴むことをいいます。
あなたにも経験はありませんか?何か別のものを探していた時に、それとは違う価値あるものを発見してしまうこと。探し物をしている時に、以前失くしてしまって諦めいたものが見つかったり…というような経験と同じです。
これはアイデアを生み出す仕事をしている人の多くが意識しているものでもあるのですが、いつもとは違う行動をとってみること、いつもとは違う人と話してみること、今考えていることとは全く違うことを敢えて考えてみることなどで閃きが生まれやすくなる傾向があります。
いつもならAを選択するんだけど、今回はBを選択してみようかな…そんな行動から、今あなたが抱えている問題(課題)に対する閃きが生まれるように、いつもとは違う知識や経験を習得してみることで、今あなたが持っている知識や経験とそれが予想外のシナプスを起こし、相乗効果を生み出す可能性もあるかもしれません。
これは人間関係でも同様。 いつもとは違うタイプの人と交流をしてみることで視野が広がることも多いです。昨今は、SNSなどを使って、そうした機会を手に入れることも簡単にできるので、まずは身近なところから心掛けてみるのもおすすめです。
また、なかには、新しい選択をすることに不安を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、いつも行くコンビニではなく違うコンビニに行ってみる、いつもとは違う道を通ってみるなど、いつもとは違うドリンクを買ってみるなど、小さなところからそのトレーニングをしてみるだけでもよいと思います。

一番になりたければ、他の人がやらないことをやりなさい。 (流 音弥 / 作家)
キャリアアップは今いる場所から上を目指していくことなので、もしかしたら、ロールモデルや上司などを目標に、そこを目指していくことで実現できるかもしれません。
ただ、それだと一番にはなれないですよね。
一方、スキルアップは、「他の人がやらないこと」×「これまでの自身の知識・経験」で、誰もいない領域での一番を目指せる可能性もあるのかなと私は考えています。
資格を取得するということも同様。 資格を取得しただけでは誰かと同じチカラしか身に着けられないので、そこにどう自分のオリジナルを加えていくのか?を考えていきたいですよね。
ぜひ、長い目で人生を見ながら、自分らしい生き方・働き方を実現するワーク・ライフデザイン(自身の人生設計)を視野に、今何を学ぶべきか考えていきましょう。 そして、、時には思いっきり遊ぶ、それも大切な学び。たった一度の人生なので、堅く考えすぎずに、楽しみながら成長していきたいですね。